1辺で生き石を作る

下図のように,白 ① に対しては,黒 ② のように上辺を守ります。白は ③ のように軽く飛んで ④ の抑えを狙っています。そのため,黒は ④ に打って守りました。


白は,上辺に2子打った力を背景に,下辺に ⑤ とつけてきました。これに対しては,黒は下にはねてしっかり守ります。


白 ⑦ に対しては ⑧ と当ててから ⑩ についで守ります。
さて,白 ⑪ に対して,黒はどう対応すべきでしょうか?


戦いの際中に弱気になると危険

下図 ⑫ のように出ると,戦いになります。
お互いに根拠のない石がありますので,あちこち忙しくなります。
黒 ⑱ に対して,白が ⑲ と受けたとき,黒 ⑳ はそっぽです。ここは,白 ⑰ の右側にアタリを打たなければなりません。白はコウに受けますが,黒はまず取り込みます。コウ材はありませんので,白がどこかに打った時,コウを解消して,右下隅を取り切れば,勝勢でした。
戦いの際中に,黒 ⑳ のような弱気な手を打つのは危険です。


この後,下図のように寄せ合いました。中央に地があるので,黒が勝っているように見えるかも知れません。


最終的に,左側の終局図で確認しましょう。
White wins by -2 + 2 (handicap) + 0.5 (komi) = 0.5 points 黒が最初に2子置いたので白にも2子入れて(中国方式の判定法を参考に考えましょう),地合いは同数なのでジゴになり,白の勝ちです。

他の1辺で生き石を作るのが最善

前述したように,白 ⑪ に対して,黒はどう対応すべきだったでしょうか?
「2辺で生き石を作る」という方針に従って,「他の1辺で生き石を作る」ために,下図の ① のように打つのが最善です。単純ですが,これで負けない碁形です。